東の夢。
 
 
 
■ 背広を着た白人が乗り込んで来た。
 アタッシュからジャパン・タイムスを取り出して真剣に読んでいる。
 もう一冊、多分仕事関係のものだと思うが、網棚の中に入れてある。
 消しゴムのついた鉛筆を挟んである。
 彼は眠ってしまったが、外には富士山が見えた。
「のぞみ」は、翼をもがれた安い飛行機のように、かなりの無理を滲ませながら地面を東に向かっている。
 通路の反対にはほとんど生活臭のない脚を組んだ若い女が座っている。
 中学生だろうか。光るストッキングを履いていた。
 隣には、母親がいる。
 売り子さんが来たのでビールを買った。
 
 
 
■ 彼は太い腕をしていた。
 ワイシャツからはみ出る毛は、黒かった。
 厚い時計をしている。
 
 
 
■ 図らずも眠ってしまった時というのは、イビキにも力がない。
 新横浜を過ぎてから、
「ミスター」
 と、声を掛けた。